認知症
脳の機能が障害され、認知機能が低下することにより、日常生活に支障をきたします。認知症の種類は様々ですが、大きく分けて変性性認知症と脳血管性認知症の2つがあります。
変性性認知症には、脳の萎縮が原因となるアルツハイマー型認知症があります。これは認知症の原因としてはもっとも多いものとなります。脳血管性認知症は、高血圧、糖尿病、脂質異常症などにより、脳の血管に血栓ができたり血管が破れたりすることで脳の機能障害が引き起こされます。他にはHIVなどが脳に感染して認知症となる場合もあります。
症状
中核症状と言われる中心的な4つの症状があります。
・記憶障害
物忘れが増える、いつも探し物をする、同じことを何度も言う
・見当識障害
日時がわからなくなる、家族や親しい人のことがわからなくなる
・遂行機能障害
段取りをつけて行動できない
・失語、失認、失行
話を聞いたり本を読んだりしても理解でき、なくなる、言葉自体の意味がわからなくなる
これらの症状は、加齢による物忘れとは違い、食事をしたこと自体を忘れていたり、忘れてしまった自覚すらなくなります。
そして、中核症状から引き起こされる周辺症状があります。
精神に現れる症状
・お金を盗まれたなどの被害妄想
・自宅にいても家に帰りたいと言う
・怒りっぽくなるなどの性格の変化
・記憶障害により不安や焦燥感が強くなる
・うつ症状
・幻覚、幻聴
・不眠症
行動に現れる症状
・介護を嫌がる
・徘徊する
・失禁
・食べ物を食べない
・暴力をふるう
治療
認知症は徐々に症状が進行していく疾患です。今のところ認知症を完治させる方法はありませんが、進行を遅らせて症状が悪化するのを防ぐ治療をしていきます。
高齢化が進む日本では認知症は増え続けると見込まれます。薬物療法とともに、患者様が適切な環境で過ごせるよう調整を行なったり、家族や介護者の方からの相談も受け付けております。